月曜の夜に静かな話を書きたくなった。派手な展開はないけど、仕事帰りの空気と少しだけ救われる感じを書けたらいい。数レスずつ投下するので、暇なら付き合ってくれ。
こういうのでいいんだよ
月曜にうるさいの読む気力ないし
育休3ヶ月取ったけど、月曜の夜って妙に刺さるんだよな
静かなやつ頼む
駅前のロータリー、終電が行ったあとで急に音が減った。
コンビニの前で缶コーヒー買って、飲むでもなく持ってたら
隣のベンチの人が「それ甘いやつですか」って聞いてきた。
終電逃しは現場後だとたまにある
チケ落選した...日の帰りほど駅前しんどいけど、これはちょっと好き
その人はスーツの上着を膝に置いて、片手にブラックを持ってた。
「甘いです」って答えたら、少し笑って
「じゃあ今日はあなたの勝ちですね」って言った。
マジレスすると春の駅前は気温より湿度で眠気くるから缶コーヒー逆効果だぞ
始発組だけど終電後の駅前は湿度じゃなくて人の抜け方が独特なんだよ
雑な豆知識で草
勝ち負けなんてあるんですかって聞いたら
「月曜に甘いの買える人は、まだ今週に期待してる人です」
って言われた。
知らない人に言われるには、妙に図星だった。
地味に効くやつやめろ
月曜にそれ言われたら黙るしかない
月曜から缶コーヒーで勝ち負けとは
日本人としてまず湯を飲んで落ち着けと言いたいが、嫌いじゃない
こっちも何か返さないとと思って
「じゃあブラック飲める人は何なんです」って聞いた。
その人は缶を少し振ってから
「諦めが早い人」って言った。
街灯の下だと、相手の年齢がよく分からなかった。
若く見えるけど、疲れ方はちゃんと社会人で
靴だけがやけにきれいだった。
ワンオペ大変な時期、保育園の送り迎えで靴だけ妙に汚れるから逆に覚えてる
足元ちゃんとしてるやつはまだ崩れてない感じある
その人はベンチの端を軽く叩いて
「座ります?」って言った。
もう座ってるじゃないですかって思ったけど、なんとなく隣に座った。
缶のぬるい温度が、手の中でちょうどよかった。
しばらく無言で、バスの案内音だけが遠くで鳴ってた。
それから相手が
「仕事帰りですか」じゃなくて
「帰る途中だったんですか」って聞いてきた。
その聞き方ちょい怖いな
帰宅判定botみたいで逆に好き
違いが分からなくて黙ってたら
「ああ、変なこと言いましたね」って先に笑った。
「仕事は終わっても、帰るのは終わらない日あるでしょう」
って。
伝統を守れとか言う気はないが、月曜夜の駅前は昔から人を弱くする
>>26
それ言われたら缶じゃ足りん
ちょっと泣く
たぶんこの人も似たような顔をしてたんだと思う。
だからこっちも少しだけ正直になって
「会社出たのは一時間前なんですけど」って言った。
「駅前から動けなくて」って続けた。
遠征費で詰むとかそういう話じゃなくても、帰れない時あるよな
足は家向いてるのに気持ちが改札入らんやつ
>>31
まだそこだよ
徹夜組みたいに勝手に時系列飛ばすな
相手はうなずいて、自分のブラックを見た。
「自分で帰れなくしたわけじゃないなら、立ち止まる日くらいありますよ」
その言い方が、慰めというより確認みたいだった。
そこで初めて、この人も今日は何かあったんだろうと思った。
名もなき家事多い日に外で缶握ってると、誰かに責められないだけで救われる時ある
この相手、説教しないのがいいわ
なんかこのへんから急に効いてくるな
静かなままなのに変な汗出るやつ
少し黙ったあと、相手が駅前のロータリーを見て
「ずいぶん明るくなりましたね、このへん」って言った。
その言い方が、最近来て驚いた人の感じじゃなくて
長く見てなかった場所を見つけた人の声だった。
>>36
こういう違和感の入れ方はずるい
月曜の脳にじわじわ来る
自分は地元じゃないから昔を知らないって返した。
そしたら相手は
「じゃあ、知らないままのほうがいいですね」って笑った。
冗談みたいに言ったのに、少しだけ本気に聞こえた。
缶コーヒー冷めてきたころの会話ってなんで全部本音みたいになるんだろうな
風が少し出て、相手のコートの裾が揺れた。
春っぽい風だったのに、その人だけ冬の帰り道みたいな格好をしてた。
そこでやっと、さっきから手袋をしたままだったことに気づいた。
>>41
育休3ヶ月取ったけど、季節感ずれてる人って本当に限界の時いる
家出る時のまま止まってるんだよな
相手は自分の視線に気づいたのか
「寒がりで」って短く言って、缶を持ち直した。
でも缶の表面、全然ぬれてなかった。
自分の缶はもう水滴で指が冷えてたのに。
缶の水滴で怖がるなw
ととのってる時の外気浴でもそんなことある
自分が黙ったら、相手が先に話を戻した。
「今日は、誰にも悪くないのに帰りづらい日だったんでしょう」
前にも似たことを言われた気がして、少し笑った。
「そっちもですか」って聞いたら、相手はすぐには答えなかった。
通りすがりだけど、こういう時に自分語りしない相手のほうが逆に重い
やっと返ってきたのは
「帰る相手は、いました」だった。
過去形にも現在形にも聞こえて、聞き返せなかった。
仕込みが甘いホラーよりこういうのが一番残る
説明の火入れしすぎてないのがいい
ちょうどその時、改札の上の時計を見た。
22時台のはずなのに、少しだけ変な感じがした。
一分か二分のズレとかじゃなくて、もっと前の時間を見てるような。
見直したら普通の時計だったから、疲れてたんだと思う。
月曜の駅の時計は信用するな
社会人の体感時間を平気で壊してくる
相手が急に
「この駅、前は売店があったでしょう」って言った。
駅ナカのコンビニならあるけど、外に売店なんて見たことない。
そう返したら、相手は少しだけ申し訳なさそうに
「そうでしたか」って缶を見た。
>>53
地元民召喚案件だけど、知らんほうが気持ちいいやつでもある
それで自分も少し聞いてみた。
「このへん、前に住んでたんですか」
相手は首を振って
「住む前に、いなくなりました」
って言った。聞き間違いかと思った。
相手も変なことを言った自覚はあったみたいで
「ああ、すみません」って少し笑った。
「こういうの、たまに順番を間違えるんです」
何の順番なのか聞けなかった。
眠い時とか限界の時、言葉の順番ぐちゃるのはある
あるんだが、なんかそれだけじゃない感じもするな
ホームから電車の音がした気がして、二人でそっちを見た。
でも案内表示は回送のまま動かない。
相手だけが小さく
「まだ来ないか」って言った。
待ってるものが、自分と同じじゃない気がした。
沈黙が長くなってきたころ、相手が自販機の明かりを見ながら言った。
「あなた、今日ちゃんと家に帰ったほうがいいですよ」
急に年上みたいな口調だった。
でも顔はずっと若く見えて、そのズレが気になった。
横からだが、追い返してるというより送り出してる言い方だな
自分は少し意地になって
「そっちも帰るんですか」って聞いた。
相手はロータリーの向こう、街灯の切れるところを見て
「自分は、もう大丈夫です」って答えた。
ととのった人みたいな言い方するな
もう大丈夫ですは深夜に効く
その直後、相手がふっと笑って
「春は、間に合わなかった人にも少しだけ優しいから」
って言った。
意味は分からないのに、不思議と反論したくなかった。
>>66
名言っぽいのに内容が追いつかなくてこわい
でも好き
自分の終電はもうなかったけど、終夜バスはまだあった。
アプリを見れば分かることなのに、その時まで調べてもいなかった。
相手に言われて、初めて帰る手段を探した。
それだけで少し、体が自分に戻ってきた気がした。
>>68
ほらなんとかなるっしょw
でも他人に言われないと検索すらできん日あるよな
バスの時刻を確認して顔を上げたら、相手が缶をベンチの下のごみ箱に入れた。
音がしなかった。
軽く落ちた感じじゃなくて、最初からそこにあったみたいな静かさだった。
>>70
音がしない描写やめろ
夜に読むんじゃなかった
相手は立ち上がって
「会えてよかったです」って言った。
初対面のはずなのに、その言い方だけ少し引っかかった。
こっちが名乗ってないことも、向こうが名乗らないことも、その時はもう変に思わなかった。
会えてよかったは仕込み済みの台詞なんよ
その場で出る言葉じゃなくて、ずっと持ってた感じがする
自分はとっさに
「またどこかで」みたいなことを言おうとして、やめた。
代わりに
「ありがとうございました」って言った。
相手は少しだけ安心した顔をして、街灯の切れるほうへ歩いていった。
見送ってから、バスまでまだ少し時間があることに気づいた。
さっき相手が缶を入れたはずのごみ箱を、なんとなく見た。
中には自分の飲んだ缶と同じ銘柄しか入ってなくて
その人が持っていたはずの黒い缶だけ見当たらなかった。
>>76
ちゃんと回収してくるなあ
派手じゃないのに逃がしてくれない
結局そのままバスに乗って帰った。
家に着いてコートを脱いだ時、ポケットから十円玉が一枚出てきた。
自販機で小銭は使ってない。
いつ入ったのか分からないまま、今も机の端に置いてある。
十円玉がいちばん嫌だわ
大金でもないし意味ありげすぎるのに意味が確定しない
アジェンダ共有します
十円の用途が不明な時点でこの案件はコンセンサス取れない
黒缶未回収と合わせてKPI的に怪異寄りです
俺の場合は夜勤明けに似たようなことあってさ
知らん婆さんに飴もらって帰ったらポケットに五円入ってたんだよ
まあ俺はただの入れ間違いだと思うようにしたけど、こういうのって残るんだよな
「会えてよかったです」が最後まで効いてる
助けたのは>>1の方に見えて、実は向こうが言いに来た感じもする
今配信中なんだがコメント欄でもこういう都市伝説回だけ急に静かになるやつ
切り抜き見てこいって言いたいけどこれは生の月曜だわ
線の味みたいな話になるけど
このSSずっと音と温度の置き方が上手いんだよな
だから黒い缶だけ無いのも十円も説明されないまま残る
ソロツー派だわ
春の深夜の駅前ってワインディング降りてコンビニ寄った時の空気にちょい似てる
人いないのに気配だけある感じ
結局なんだったのかは分からんけど
机の端に十円置いたまま生活続くのが一番それっぽい
回収されない違和感だけ残るやつ
派手なオチないって>>1で言ってたのにちゃんと月曜の心臓だけ掴んで終わったな
乙
答え出ないままでいいや