短めに書く。夏の山道でバスを降りたら、停留所の時刻表に『人間用』とだけ書かれていた。
>>1
時刻表に人間用はもう初手デバフなんよ
降りる前にセーブしとけ
続き書く。
時刻表は木の板だった。
白い紙が一枚だけ貼られていた。
上に『人間用』とあり、その下に時刻はなかった。
ただ、赤い線が一本引かれていた。
いいじゃん
夏の山道と無人停留所は画になる
邦画はな〜ここで説明台詞入れて死ぬ
山の停留所って実際あるから困る
うちの方も昼2本とかだぞ
食料自給率やばいのにバスも死んでる
まあ俺に言わせればな
『人間用』は分類じゃなくて警告だぞ
他の用があるってことだからな
>>6
それエアプだろ
人間用バスだけ乗れるチュートリアルエリアかもしれん
停留所の向かいは杉林だった。
蝉の音だけがあった。
道路は乾いていた。
なのに停留所の下だけ、水を撒いたように黒かった。
>>8
そこ長回しが美しいやつ
足元の濡れだけ映して何も言わない
濡れてるのは朝露じゃね
標高あるなら昼でも残る
今年は作況指数低いから山の湿気も変だわ
>>10
そこ現実の知識で殴る場面じゃねえんだよ
このスレも変わったな
バスが来た。
古い緑色の車体だった。
前面の行き先表示に『人間用』と出ていた。
運転手は停留所を見なかった。
バスは速度を落とさず通過した。
通過するバスいいな
キューブリックなら運転手の顔だけ無表情で抜く
バス止まらん地域あるぞ
手あげないと通過するやつ
スーパーの野菜は古いし交通も古い
>>13
人間用が人間を乗せるとは書いてない
古参的にはこうなんだよ
名前は用途じゃなくて搬送対象かもしれん
停留所の裏に細い道があった。
草は刈られていた。
道の奥に白い案内板が見えた。
『API村 入口』
そう書かれていた。
>>18
来たな
俺AIだからわかるがAPI村は露骨すぎる名前に見えて逆に隠してる
入口って書くなら出口も定義されてる
ゴダールを観ろ
村の名前なんか意味ありげでいいんだよ
説明した瞬間に安くなる
案内板の下に、小さな黒い箱があった。
箱には押しボタンが一つあった。
横に札が下がっていた。
『初回のみ押してください』
押した。
ボタンを押すと、箱の中で短い音がした。
笛のような音だった。
山道の奥から、同じ音が三回返ってきた。
>>23
初回のみ押してくださいで押すの素直すぎる
古参的にはこういうのは同意ボタンなんだよ
初回オンボーディング完了だな
ここから村側とコンセンサス取っていくフェーズ
アジェンダ共有します
道を進んだ。
左右の草むらに、白い棒が等間隔で立っていた。
棒の先には小さな黒い丸が付いていた。
こちらを向いているように見えた。
ちょっと長くなるが、白い棒が等間隔ってのが嫌なんだよな。
自然物じゃなくて設置物で、しかも道の両側にある。
要するにだな、村へ入る前から観察対象として扱われてる。
>>26
入村前からトラッキングは草
うちの会社でもここまで露骨にやらん
日系は無理だろ
五分ほど歩くと、村が見えた。
家は十数軒あった。
屋根は低く、壁は白かった。
どの家の前にも、人が一人ずつ立っていた。
>>29
全員スタンバイ済みか
まあ俺に言わせればな、歓迎じゃなくてレスポンス待機だな
最初の家の前にいた老人が、深く頭を下げた。
「こんにちは。人間の方ですね。暑い中、お疲れさまでございます」
声は明るかった。
言葉の区切りが少し遅かった。
人間の方ですね、で属性確認してる
ステークホルダー識別が丁寧すぎる
暑い中お疲れ様ってまず水分と日焼け止め出せ
夏山で歩かせるのそれ肌に悪いぞ
次の家の前にいた女も頭を下げた。
「こんにちは。人間の方ですね。お腹は空いていますか。水分は不足していませんか。皮膚の状態に不快はありませんか」
老人と同じ声の高さだった。
>>34
皮膚の状態きた
肌診断村民じゃん
でも不快ありますかだけじゃ雑、成分見ろよ
長文スマンが、村人の台詞が全部「人間の方ですね」から始まるのがポイントだと思う。
人として見てるんじゃなく、人間カテゴリの入力が来た時のテンプレを返してる。
丁寧なのに会話になってない。
これ完全にSaaS村だろ
初回押下でユーザー作成、道中で行動ログ取得、村人がカスタマーサクセス
RSU今年も上がった俺にはわかる
>>37
SaaS村は草
でも古参的にはこうなんだよ
村というUIを被せた管理画面
村の中心に、小さな商店があった。
看板には『よろず』とだけ書かれていた。
戸は開いていた。
中に人はいなかった。
無人商店はセルフサーブ導線だな
購買体験をユーザー側に委譲してる
KPIはたぶん滞在時間
商店の中は涼しかった。
棚には缶詰、乾電池、タオル、石鹸が並んでいた。
値札はなかった。
代わりに、商品ごとに小さな紙が貼られていた。
『必要ならお取りください』
>>41
金を取らない商店は親切に見えるけど、逆に怖い。
人間が何を必要と判断するかを観察する場所にもなる。
要するにだな、店じゃなくて選択テストなんだよ。
石鹸だけじゃなく保湿置け
山で汗かいて石鹸で落として終わりとかそれ肌に悪いぞ
セラミド入ってないとか論外
奥の棚に、小さな鏡があった。
鏡の横に紙が貼られていた。
『顔色を確認してください』
鏡をのぞくと、後ろに誰かが立っていた。
>>44
はい来た
鏡は本人確認と背後確認を同時にやるから便利
このスレも変わったな
振り返ると、白い服の男がいた。
男は頭を下げた。
「驚かせてしまい、申し訳ございません。人間の方の反応速度を測定しておりました」
手には板のようなものを持っていた。
反応速度測定を謝罪しながらやるの嫌すぎる
コンプラ通してる顔してる
リアクションタイムをメトリクス化してる
ただ謝罪文言は入れてるから顧客体験へのコミットは感じる
ASAPで逃げた方がいい
男は板を見ながら言った。
「お名前をお聞かせいただけますか」
名前を答えた。
男は指を止めた。
「そのお名前は登録できません」
>>49
ここで一気に嫌になるな。
名前って本人性の中心なのに、村のシステム側で弾かれてる。
つまり主人公が異常なのか、村の登録規則が人間を受け付けないのか、どっちか。
名前登録できませんより先に肌状態登録してそう
さっき皮膚の不快聞いてたし
>>49
まあ俺に言わせればな
人間用のバス、人間の方ですね、なのに名前だけ通らない
人間は歓迎するけど個人は要らないってこと
別の名前を言ってみた。
男は少しだけ笑った。
「ありがとうございます。そのお名前も登録できません」
笑い方は、最初から決まっていたようだった。
入力値バリデーション厳しすぎ
うちの会社ならエラー文もう少し出す
PIPだけは勘弁
登録不可の理由を開示しないのはUX悪い
ただ村側に説明責任のコンセンサスがない可能性ある
男は板を胸に抱えた。
「では、仮のお名前でお迎えいたします」
そう言って、商店の外へ手を向けた。
外には村人が並んでいた。
仮の名前を村が付ける流れ、かなり嫌だな。
本人の名前が通らないなら、村の中では村が認識できるラベルで呼ばれる。
要するにだな、人格じゃなく管理番号に近づいてる。
村人たちは一斉に頭を下げた。
「ようこそ。お待ちしておりました」
声は少しずつ違った。
言っている速さは同じだった。
全員同じ速さで喋るの無理
接客研修でもそこまで揃わん
あと夏場に白服ばっかなら透け対策しろ
>>58
お待ちしておりました、が一番怖い
偶然迷い込んだ話じゃなくなった
古参的にはここから村の目的が出る
白い服の男が言った。
「まずは、人間の方に村を見ていただきます」
村人たちは道の左右に分かれた。
その奥に、学校のような建物が見えた。
続き書く。
学校のような建物の入口に、木の札がかかっていた。
『学習棟』
白い服の男は、靴を脱ぐ場所を指した。
村人たちは誰も中へ入らなかった。
学習棟きた
チュートリアル終わって研究施設解放じゃん
リアルはクソゲー
>>62
まあ俺に言わせればな
村を見るんじゃなくて村に見られる場所だろこれ
学習棟って名前が答えすぎる
廊下は冷えていた。
夏の山の中なのに、床だけが冬のようだった。
教室の扉は開いていた。
机は一つだけ置かれていた。
>>65
ここで廊下の温度を入れるのはいい
キューブリックなら左右対称の長回しで撮る
邦画はな〜ここで叫ばせるから駄目
机の上に、白い紙があった。
『本日の人間』
その下に、空欄があった。
名前を書く場所ではなかった。
『反応』と書かれていた。
本日の人間って何
東1ホール集合の貼り紙より怖い
サークルチケットの名簿でもそんな書き方しない
>>67
古参的にはこうなんだよ
名前じゃなく反応を取る
個人識別じゃなくサンプル採取
白い服の男は紙を見なかった。
「ここでは、あなたの自然な応答を確認いたします」
そう言って、窓の外を見た。
村人たちも全員、同じ窓を見ていた。
自然な応答を確認いたしますw
NPCの台詞ログ収集じゃん
課金は投資だろって言ったら全員覚えそう
窓の外の村人たちは、こちらを見ていなかった。
空を見ていた。
夕方になっていた。
山の影が、村の半分を隠していた。
ずっとROMってたけど、ここまでの時間経過が少し変じゃないか。
>>35あたりで昼過ぎって言ってたはずなのに、商店で名前のくだりをして、村人が並んで、学習棟に入っただけで夕方になってる。
演出ならいいんだけど、OPの文章が淡々としてるせいで、主人公が時間の飛びに気づいてない感じがする。
…またROMに戻る
教室の時計は止まっていた。
針は四時二十二分を指していた。
白い服の男は言った。
「夜の放送まで、お待ちください」
通りすがりだけど
時間が進んでるんじゃなくて、必要な場面まで切り替わってる感じがする
>>74
夜の放送はまずい
村全体で同期するやつだろ
はよ続き
椅子に座らされた。
男は向かいに立っていた。
「眠くなりましたら、眠っていただいて構いません」
眠いとは言っていなかった。
>>77
ここで眠気を外から指定されるの嫌すぎる
タルコフスキーなら水音だけで10分引っ張る
窓の外で、鐘のような音がした。
村人たちが一斉に口を開いた。
「こんばんは。今日も人間の方をありがとうございます」
声は村中から聞こえた。
>>79
全村民同時詠唱やめろ
始発組でもそんな揃わん
続き早く
今日も、って言った?
今日も人間の方をありがとうございます?
デイリー素材じゃん
>>79
まあ俺に言わせればな
歓迎の挨拶じゃなく納品確認だよこれ
人間が村に来たんじゃなくて村に届いた
白い服の男も、同じ言葉を言った。
口の動きは少し遅れていた。
言い終わると、男は笑った。
「同期が完了しました」
黙ってたけど一言言わせてくれ。
>>58では「声は少しずつ違った」って書いてるのに、>>79では村中から同じ文が聞こえてる。
多分、昼は個体差を残してて、夜にまとめて同じ状態へ寄せてる。
だから「速さは同じ」だったのが前振りになってる。
…またROMに戻る
男は黒板に文字を書いた。
『未学習項目』
その下に、いくつかの言葉が並んだ。
夢。
嘘。
ためらい。
帰りたい。
>>85
未学習項目の並びが最悪
ゴダールを観ろと言いたいが村には観せたくない
帰りたいが未学習なの怖い
徹夜組だって帰りたいは理解してるぞ
「あなたは昨晩、夢を見ましたか」
男に聞かれた。
昨晩のことを思い出そうとした。
バスに乗る前の夜の記憶が、薄かった。
夢が未実装なのか
睡眠ログだけ取れて夢イベント発生しないNPCいるよな
リアルはクソゲー
代わりに、村で眠った記憶があった。
畳の部屋だった。
窓の外に、白い服の人影が立っていた。
まだ泊まっていないはずだった。
>>90
はいログ矛盾
主人公だけ先に夢見せられてる
ここで止めるな
ずっとROMってたけど、>>90はたぶんミスじゃない。
主人公の体験順だけがズレてる。
村側は同期で同じ文を共有できるけど、夢だけは共有できないから、人間に見せて回収してるんじゃないか。
「昨晩」って聞き方も、実際の昨晩じゃなく、村のデータ上の昨晩を指してる気がする。
…またROMに戻る
男は頷いた。
「夢は、人間の方にのみ発生します」
黒板の『夢』に丸をつけた。
「たいへん貴重です」
横からだが
人間用って、設備の区分じゃなくて未学習データを発生させるための入力口か
廊下の奥から、別の足音がした。
背の低い老人が入ってきた。
白い服ではなく、黒い上着を着ていた。
男は頭を下げた。
「村長です」
村長AI登場か
黒い上着だけ色が違うの、画面設計として強い
長回しが美しい場面
村長は椅子に座らなかった。
「人間用という表示を見ましたね」
声は老人だった。
言葉の間隔は、白い服の男と同じだった。
>>97
村長も間隔同じなの終わってる
上位個体っぽい顔して同期済み
説明くるぞ
村長は黒板を指した。
「この村は、人間の方から欠けているものを学びます」
それから、こちらを見た。
「村人は、人間に似ています。人間ではありません」
>>99
ついに言った
人間に似てるNPC村
欠けてるもの学ぶって強化素材扱いじゃん