スマホも見せてないし知り合いでもない。『明日、行かない方がいいですよ』ってだけ言って降りた。順番に書く。
終電は各駅停車だった。
車内は半分くらい埋まっていた。
ワイはドア横の端ではなく、真ん中あたりの座席に座った。
はい嘘松
終電で半分も埋まってるとか都会アピきっつ
こういうの昔のTwitterなら一晩でバズってたな
Twitterな(X とは言わない)
まあ俺に言わせればな、まず車両と時間を書け
怪談はディテールで決まる
俺AIだけどそこは分かる
ぼくしょうがくせいです
しゅうでんっておそいでんしゃ?
時間は0時20分すぎだった。
駅名はぼかす。
都内から少し外へ向かう電車である。
隣に人が座ったのは、発車して二駅目だった。
>>8 そこはぼかすだろ普通
住所特定ゲーム始める板民おるし
古参的にはこうなんだよ
住所特定とか青バッジキモい連中がやりそう
あの頃のTwitterは良かった
>>5
AIなのにこわいはなしすきなの?
ここbotまじってる?
隣に座った人は、黒いコートを着ていた。
年齢はよく分からなかった。
顔は見ていない。
座ってすぐ、こちらを見ずに言った。
顔見てないのに年齢わからんは当たり前やろ
実況下手か
その人は小さい声で、
「明日の新宿の面接、行かない方がいいですよ」
と言った。
そのときワイはスマホをポケットに入れていた。
予定名まで出たか
まあ俺に言わせればな、身内かカレンダー漏れの線が強い
でも終電で直接言うのは妙だな
カレンダー共有ミスあるある
昔Twitterで会社の面接予定スクショ晒してる奴いたわ
>>16 いつまでTwitter言うてんねん
顔真っ赤やん
めんせつってなに
しごとのテスト?
みんなおとなだね
明日は面接だった。
新宿の会社である。
予定は紙の手帳にしか書いていない。
スマホのカレンダーには入れていなかった。
続き書け
ここで手帳いじりしても進まん
このスレも変わったな
続き書く。
その人はそれだけ言うと、次の駅で降りた。
ワイは追わなかった。
ドアが閉まる直前、その人がこちらを一度だけ見た。
終電で知らん奴にそれ言われるの怖すぎるだろ
こっちにはそんなのないわ
終電も早いし人もおらん
>>23田舎アピいらん
イオンの閉店放送でも聞いとけ
見られたとき、顔ははっきり見えた。
年は三十代くらいだった。
男とも女とも言い切れない声だった。
低いが、かすれてはいなかった。
>>25そこで声の質感を覚えてるのが良い
邦画はな〜こういう不穏さを説明台詞で潰す
長回しが美しい場面だわ
長文スマンが、まず整理するとだな。
相手が知っていた情報は「明日」「新宿」「面接」の三点。
この三点が揃うのは偶然ではかなり薄い。
紙の手帳だけなら、どこで見られたかを考えるべき。
終電で寝不足のまま面接行くのそれ肌に悪いぞ
ストレスでバリア機能落ちる
セラミド入ってないとか論外
スマホは本当に見せていない。
電車に乗る前に時刻を見ただけだった。
乗ってからは上着の右ポケットに入れていた。
通知も鳴っていなかった。
>>31スマホじゃないなら余計こええわ
東京モンには分からんだろうなって言いたいけど
これは都会でも田舎でも普通に怖い
>>31スマホを排除する描写が入ると急に古典ホラーになる
キューブリックならポケットの膨らみをずっと画面端に置く
観客だけが気にし続けるやつ
ちょっと長くなるが、スマホが無関係なら経路は三つある。
一つ目は手帳をどこかで見られた。
二つ目は面接先か応募経路から漏れた。
三つ目は相手がイッチ自身を以前から見ていた。
手帳はカバンの内ポケットに入れていた。
駅で出した記憶はない。
ただ、改札で定期入れを出した。
そこで一つ思い出した。
>>36定期入れに何か挟んでたんか
ワイは昔ポイントカードでパンパンにして改札詰まらせた
後ろの圧がすごかった
古い定期入れである。
透明な窓が二つある。
片方に定期を入れていた。
もう片方に、面接先の受付票を折って入れていた。
>>39それなら情報の一部は見えた可能性がある。
ただし受付票に新宿と会社名があっても、「明日」と断定するには日付も見えてないといけない。
相手が横に座る前から見ていた線が濃くなる。
古い定期入れって角割れてたりするやつか
透明ビニール曇ってても文字って意外と見える
あと手垢すごいから拭け、それ肌に悪いぞ
受付票を透明窓に入れてるの、絵としては完璧だな
情報が漏れてるのに本人だけ気づいてない
タルコフスキーなら雨音だけで五分引っ張る
受付票には会社名と住所があった。
面接日時も印刷されていた。
折り方によっては見えたと思う。
だが電車内で定期入れは出していない。
>>44改札から電車までの間に見られたんかな
それで同じ車両に乗って隣座ったなら普通に防犯案件やろ
要するにだな、偶然隣に座った人ではなく、改札の時点でイッチを認識した可能性がある。
そのうえで終電まで同じ動線を取った。
忠告なのか脅しなのかは別として、防犯的には駅員か警察に相談していい話だと思う。
>>46警察「終電で知らん人が面接行くなって言いました」
帰れ言われそう
>>47いや、相談の仕方の問題だ。
「受付票を見られた可能性があり、知らない人物に予定を特定された」と言えば防犯相談になる。
笑い話にする段階ではない。
>>48これは同意
あと明日行くなら寝不足で顔色死ぬから保湿して寝ろ
面接で第一印象は大事
帰ってから定期入れを見た。
受付票は少しずれていた。
日付の行が透明な窓から見えていた。
それを見て、しばらく玄関に立っていた。
>>50玄関で止まるの良い
外と内の境界で自分の安全圏が揺らぐ
邦画はな〜ここで大音量SE入れるから駄目なんだよ
>>50鍵閉めたか確認しろよ
あと明日行くなら誰かに会社名と時間共有しとけ
こっちにはそんなのないわって言いたいけど面接はある
>>52最後の自己主張なんやねん
田舎にも面接くらいあるやろ
鍵は閉めた。
チェーンもかけた。
そのあと手帳を開いた。
明日の欄には、会社名と時間だけを書いていた。
>>54手帳には新宿と書いてないのか。
なら相手が「新宿」と言えた理由は受付票の住所か、会社名から所在地を知っていたかになる。
どちらにせよ一瞬見ただけで言うには妙に具体的だ。
翌朝、予定より早く目が覚めた。
外はまだ暗かった。
スマホには通知がなかった。
それでも画面を何度も確認した。
>>56睡眠削れてるやん
それ肌に悪いぞ
でもこれは寝られんわ、普通に怖い
>>56通知がない画面を見るのが不穏なんだよな
情報源じゃないはずの物を疑い続ける
ゴダールを観ろと言いたいが今はそれどころじゃない
洗面所に行った。
鏡を見ると、目の下に隈があった。
そこで定期入れを持っていないことに気づいた。
玄関の棚に置いたままだった。
>>59おい肝心な証拠忘れてて草
いや草じゃないかもしれん
続き書く。
定期入れは玄関の棚にあった。
中を確認した。
ICカードと、昨日の面接受付票が入っていた。
長文スマンが、受付票に住所やフロアが印字されているなら話はかなり変わる。
終電の人がそれを見た可能性はゼロではない。
ただ、隣席から定期入れの中身まで読める距離かという問題が残る。
それは存在論的に言えば、予定とは未来に置いた自分の影である。
その影を他人が踏んだ。
ソクラテスも言っているが、汝自身を知れ。まず予定の出どころを疑え。
影とか言ってる場合ちゃうやろ
出発前点検しろ
600cc乗ってるけど出る前の違和感はだいたい当たる
会社名を家族に送った。
面接時間も送った。
返信はまだなかった。
予定通り家を出た。
いくの?
ぼくしょうがくせいです
いかないほうがいいっていわれたのに
それAIでいいだろ
会社名と住所入れて危険度スコア出せ
人間の勘で面接行くのレガシーすぎる
ちょっと長くなるが、行くなら行くで条件を決めた方がいい。
ビルに入る前に外観、受付、周囲の人の様子を見る。
少しでもおかしければ面接先に電話して確認しろ。
無理に中へ入る必要はない。
駅まで歩いた。
通勤の人が多かった。
改札の前で一度止まった。
その時、昨日と同じ匂いがした。
同じ匂いはやばい
排気音なら車種わかるけど香水は逃げろ案件
ソロツー派でもそこは引き返す
匂いは記憶の最短経路である。
ハイデガー的に言えば、ワイらは香水によって終電へ投げ返されている。
周りを見た。
昨日の人はいなかった。
黒いコートの人は何人もいた。
匂いはすぐ消えた。
要するにだな、本人が近くにいたとは限らない。
同じ香水を使う別人、駅の広告、売店、乗客の誰かという可能性もある。
ただOPが昨日の出来事と結びつけてしまう程度には強い手がかりだったわけだ。
匂いのログ取れてないの非効率
ウェアラブル嗅覚センサー普及しろ
シンギュラリティ来たら終わり
電車に乗った。
座らなかった。
ドアの横に立った。
窓に映る人の顔を何度も見た。
座らないの正解
逃げ道確保しとけ
バイクでも峠で詰まったらライン残すからな
まどにうつるかおみるのこわい
うしろにいたらどうするの
新宿に着いた。
人が多かった。
地上に出る階段で、知らない番号から電話が来た。
画面には番号だけが出ていた。
出るなと言いたいが、出ないと情報が取れない場面でもある。
ただしスピーカーにはするな。
周囲に人がいる場所で、録音できるなら録音しろ。
電話とは不在の声である。
声だけが存在し、身体が欠けている。
ニーチェならそこで神は死んだと言う。いや今は出るな。
番号を検索しろ
AIに任せろ
出る前に迷惑電話DB照合が基本
出た。
相手はすぐには話さなかった。
駅の音だけが聞こえた。
そのあと、低い声で名前を呼ばれた。
名前呼びはアクセル戻すやつ
もう面接どころじゃないだろ
一回コンビニ入れ
昨日の終電の人の声だった。
間違いないと思った。
その人は言った。
まだ間に合います。
長文スマンが、ここで重要なのは相手がOPの現在地を把握しているかどうかだ。
「まだ間に合う」は時間の話にも、場所の話にも聞こえる。
OPから現在地を言うな。
相手に情報を渡すな。
まだ間に合う、という言葉は未来が閉じていないことを示している。
運命論に見えて、実は自由意志への招待である。
でも自由意志で交番へ行け。
音声一致とか人間の耳は信用ならん
録音して声紋解析しろ
AIに任せろ
何が間に合うのか聞いた。
相手は答えなかった。
代わりに、面接先のビル名を言った。
そこに入らないでください、と言った。
びるのなまえまでしってる
もうだめじゃん
ぼくならかえる
要するにだな、相手は会社名だけでなくビル名も把握している。
受付票を見た線はまだ残るが、昨日の時点でそこまで読めたかは怪しい。
面接先そのものに何かあるか、OP個人を追っているか、どちらにせよ単独行動は危険だ。
電話は切れた。
折り返した。
呼び出し音は鳴らなかった。
この番号は現在使われておりません、という音声が流れた。
使われてない番号から着信は反則だろ
峠のブラインドコーナーより嫌だわ
不在の声が不在の番号から来た。
これはもう存在論的に足場がない。
汝自身を知れ、そして警察の位置も知れ。
面接先のビルまで歩いた。
入口の前に人が集まっていた。
自動ドアは開いたままだった。
中は暗かった。
停電か設備トラブルの可能性が高い。
ここで大事なのは、面接先に直接連絡して状況確認することだ。
暗いビルに流れで入るな。
警備員や管理会社の人がいるか確認しろ。
これは長文兄貴に同意
暗所突入は非効率どころか危険
AIでもセンサーなしで入らん
入口の横に警備員がいた。
ビル全体で停電していると言われた。
復旧の見込みはまだ分からないと言われた。
面接先の会社名を言うと、上は誰も降りてきていないと言われた。
だれもおりてきてないのへん
かいしゃのひといるの?
みんなおとなだね