【戦慄】終電の女「未来のワイです」→翌朝の返信まで封じてきた結果
終電で隣に座った謎の女が、スマホの壁紙や鍵の傷まで言い当て「未来のワイ」を名乗るスレが投下される。最初は釣り扱いだった住民たちも、事故予告と手帳の内容で徐々にざわつき始める。
釣りっぽいタイトルですまん。さっき帰ってきた。メモ代わりに順番に書く。質問は区切りごとに拾う。
異様な女打線
1 中 黒コート
2 二 濡れてない傘
3 遊 終電
4 一 未来のワイ
まだ4番出てないのに強い
>>16
機種名は合っていた。
ケースを付けていたので背面は見えなかった。
画面も伏せていた。
女は続けて、ワイのロック画面の壁紙を言った。
去年撮った川の写真だった。
ずっとROMってたけど、時刻表だけ見た。
>>9で次の駅から乗ってきたって書いてて、>>37でさらに次が最寄りってことは、終電の各停で2駅分は動いてる。
路線名がないから断定できないけど、都心寄りの終電ならこの時間帯でも隣駅から1人だけ乗ってくるのは普通にある。
ただ、終電で次の駅に降りるなって言われて、その後も乗り続けると、戻る手段がほぼなくなる路線が多い。
釣りならそこを分かって書いてる。
本当ならかなり嫌な言い方。
…またROMに戻る
ワイは、その男を助けろということか、と聞いた。
女は首を振った。
「助けないで」
そう言った。
声は小さかった。
でも、はっきり聞こえた。
ワイは会社の名前を言ったのか、と聞いた。
女は言わなかった。
かわりに、明日の時刻を言った。
午前十時十七分。
会社の裏口。
白いワゴン車。
ガラスが割れる。
そこまで言った。
女は少し迷った。
それから手帳を開いた。
最初のページに、ワイの名前があった。
漢字も合っていた。
その下に、明日の日付があった。
午前十時十七分。
会社裏口。
さらにその下に、赤い字で一行だけ書いてあった。
「ここで助けるな」
ワイは手帳に触れた。
女は止めなかった。
紙は古かった。
端が少し波打っていた。
数字の横に、短い文があった。
「ここで自演と言われる」
その字を見て、嫌な感じがした。
ワイの字だった。
女はそこで初めて、ワイの顔を見た。
「助けたら、好きになる」
そう言った。
ワイは聞き返した。
誰を、と。
女は答えた。
「明日、倒れる人」
電車が駅に着いた。
終点の一つ前だった。
女は立った。
手帳はワイに渡さなかった。
降りる前に、女は言った。
「あなたはたぶん、助ける」
ドアが閉まった。
ワイはそのあと、しばらく席を立てなかった。
書き忘れていた。
ドアが閉まる直前、女はもう一つ言った。
声はほとんど聞こえなかった。
口の動きだけだった。
「朝の返信をするな」
たぶん、そう言った。
今、スマホは机の上に伏せてある。
通知音は切った。
明日の朝まで触らない。
ここまでが1話目。
続きがあるなら、起きてから書く。