【泣いた】終電後のホームで未来の自分に「今夜、帰るな」と言われた結果
終電を逃しただけのはずが、駅のベンチに座っていたのは老けた自分。未来から来た男が止めたのは、帰宅ではなく「言わなかった言葉」だった。
書き溜め少しある。眠れないやつだけ付き合ってくれ。たぶん短めの話になる。
顔を見た瞬間に変な声出た。
俺なんだよ。
ただ、頬がこけてて、髪が白くて、目だけやけに若い。
向こうは俺を見て「間に合った」って言った。
俺が「何しに来たんだ」って聞いたら、未来の俺は線路の方を見たまま、
「今夜、帰るな」って言った。
「家に帰ったら、お前は一生、電話に出られなくなる」って。
未来の俺のスマホには、着信履歴が一件だけ何百回も並んでた。
同じ番号。同じ時刻。
日付だけが今日じゃなくて、十年後の今日だった。
画面に名前も出てた。
母さん、って登録名だった。
俺、その瞬間だけ本当に帰ろうとした。駅からタクシー拾えば間に合う気がしたから。
三回くらい鳴って切ろうとしたら、未来の俺が俺の手首をつかんだ。
「切るな」
「お前はいつも三回で逃げる」
自分の声で言われると逃げ場がなかった。
結局、留守電には「ごめん」しか入れられなかった。
元気で、とか、また電話する、とか言おうとしたけど全部嘘っぽくて無理だった。
最後に息だけ入って、切った。
切ったあと、未来の俺は泣いてなかった。
でも顔だけが崩れてた。
「俺、それが欲しかったんだ」って言った。
俺は何を渡したのかわからなかった。
俺は「これで未来変わるのか」って聞いた。
未来の俺は首を横に振った。
「俺は変わらない」
「お前は知らん」
その言い方が、なぜか一番怖くなかった。
未来の俺は言った。
「十年前の俺は、かけなかった」
「十年後の俺は、出ない電話にかけてる」
「だから今日は、お前が一回だけ先にかけろ」
それだけだった。
俺は「母さんは聞くのかな」って聞いた。
未来の俺は「わからん」って言った。
「でも、聞かせるためだけじゃない」
「言わなかった言葉は、こっち側にも残る」
未来の俺は「もういい」って言った。
それから、駅の時計を見た。
始発まで一時間ちょっとあった。
「帰るなって言ったけど、もう帰ってもいい」
「でも、できれば始発までここにいろ」
母ちゃんに電話するわ
元スレッド: 終電を逃したら、駅のベンチに未来の自分がいた(94レス)